今回は、
      森って何だ --森が辿って来た道--

ぼくは数年前から、
何回かに分けて地中海地方と北欧との旅に出ています。
赤茶けた台地が広がる地中海地方と、緑なす森に囲まれた
北欧との間にかつてあったはずの『森が辿った道』を確かめたかったからです。
皆さんもよくご存知の通り、地中海地方には古代の文明が生まれました。
その古代の地中海地方は、森の緑に囲まれた豊かな台地だったと言われています。
ひとは自然の脅威に畏れつつも、木質エネルギーを始め、さまざまな暮らしの恵みを
森から受けていた事でしょう。
しかし、やがて膨れ上がる「ひと社会」の欲求を満たす為に天然の森は次々に伐採され、
ひとによる森からの一方的な収奪が始まります。
その結果の森林破壊によって自ら招き寄せた不利益が、地中海に生まれた文明を
北上させていった理由なのです。
森を求めて北上した文明は、その過程で森との共生という知恵を手にする事になりました。
これが北欧に豊かな森の文化が芽生えた理由だと言えるでしょう。
赤茶けた台地と緑なす森。
この二つの森が辿った道は、
「ひと社会」のありかたを今に伝えています。
今、次代に残すべきものについて、
森の中で一緒に汗を流しながら考えてみませんか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

1 × one =